■美雪を選択した場合
愛している
信じてくれるか?
証明できるものはないけど
ふたりを結ぶのは選択肢だけだけど
ただのクリックだけど
その向こうにある、俺の気持ちを
信じてくれるか?
元の世界に戻っても、俺たちは結ばれる
そうだよな?
一緒に、戻ろう
……そうだ
それが、運命なのだ
それじゃあ──美雪
俺たちは、振り返る
そこにもう彼女はいない
彼女が誰だったか
それすらも、わからないことになる
言いようのない寂しさが襲う
すぐに、寂しかったことさえ忘れるだろう
でも、これが、俺の選んだ結末
ふさわしい罰なのだ
地面に落ちたスマートフォン
美雪は画面を確認する
セカイをロールバックするために
発信ボタンに手をかける
わかってる
今度はきっと、キスできる
ふたりは、永遠の愛を誓ったのだから
胸いっぱいの希望と
溢れ出るほどの愛と
消えかけた寂しさを、胸に──
俺たちは、発信した
※強制終了&再起動
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美雪END